急速充電を繰り返すと電池の劣化を早める
これに対して、トヨタのEVがbZ4Xだけというのは少々さみしい気がするが、それがトヨタの戦略なのだろう。bZ4XはトヨタがSUBARU(スバル)と共同開発したEVで、22年5月に発売した。スバルはbZ4Xの姉妹車を「ソルテラ」として発売している。
トヨタbZ4Xとスバルソルテラは当初、リチウムイオン電池を保護するため、容量の80%を超えて電池を急速充電する場合、充電量を抑制していた。
このためbZ4Xやソルテラで高速道路を長距離移動する場合、なかなか満充電できない使いにくさがあった。このため何度か急速充電しても航続距離が限られ、結果的に米テスラや韓国の現代自動車、日産などライバルメーカーの最新EVに比べて充電回数が増え、目的地に到着するまで時間がかかるといったデメリットが指摘された。
トヨタとしては、ユーザーが急速充電を繰り返すことで、電池の劣化を早めることを防ぐ狙いがあったようだ。トヨタは「短期間に急速充電を複数回実施し、電池への負荷が一定量を超えた場合、電池へダメージを与えない速度まで急速充電の速度を遅くし、電池へのダメージを抑制する制限をかけている。そのため急速充電の速度が大幅に低下する」と説明していた。