現状の日本ではEVの充電に時間がかかる
急速充電も注意が必要だ。トヨタは最大出力150kWの急速充電器を使えば、bZ4Xを約28分で充電できると説明している。最大出力が90kWなら約40分、50kWなら約60分かかるという。
しかし、日本の高速道路のサービスエリアなどにある「CHAdeMO(チャデモ)」方式の急速充電器は、1回当たり30分の利用が基本だ。しかも、最大出力90kWや150kWの急速充電器は少なく、今なお最大出力20~50kWが主流だ。1回30分では充電量が限られる。
このため、土日午後のサービスエリアやショッピングセンター、自動車ディーラーなどの急速充電器は混雑し、順番待ちとなることもある。つまり、現状の日本ではEVの充電に時間がかかる可能性が高いということだ。
もしも、あなたがEVを購入するなら、EVの性能はもちろん、自宅や周辺の充電インフラなどを調べ、じっくり検討した方がよい。日本でEVがなかなか売れず、HVやPHVが人気なのも理解できるだろう。
(ジャーナリスト 岩城諒)