「野菜のテリーヌ」写真のALT属性に「レシピ情報」は間違い? 農水省Xが波紋...視覚障がい当事者の専門家の見解は

ALT属性に必要な情報は「人によって捉え方が違う」

   岸本氏は、ALT属性を設定するべきかどうかや何を記載するべきかについてはガイドラインが存在するものの、画像情報をどのような表現で文字に替えて伝えるかについては、「正解がない」と話す。

   さらに、「人(視覚障がい者当事者)によって捉え方が違う」とも指摘。今回の農水省のレシピのような補足情報を設定することは「すごく助かる」という人もいれば、こうした情報は「不要だという当事者の声も確かにある」とした。

   その上で、岸本氏は今回の農水省の投稿について、「明らかに間違えた使い方をしているようには見えない」との見解だ。1日に必要な野菜を摂ることのできるテリーヌを紹介する投稿で、ALT属性にレシピ情報を加えるというのは、「全体的な目的としては叶っていると思う」とした。「100点ではないけれども、落第点でもない」と評価し、よりよいALT属性の設定の仕方も提案した。

「より万全を尽くすのであれば、例えばレシピは別で投稿して、自分でリポストするとか。そうするとわざわざ画像にレシピ情報を書かなくて済みます。『レシピが気になる人はリポストの方で見てくださいね』とすると良いと思います」

   また、1枚目のテリーヌを作っている途中の画像に設定された「野菜のテリーヌが皿の上に置かれている」という説明については、もう少し細かく状況を描写したほうが良いと指摘した。どの部分を細かく描写するかについては、何を伝えたいかによるという。

「下ごしらえの工程が重要であれば、下ごしらえの工程をきちんと書いておくべきだし、それよりも『これだけの野菜食べてくださいね』ということであれば、例えば箱の大きさを書いておいた方が『このくらいの野菜食べないといけないんです』ということが分かりやすいと思います」
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