ALT属性の使い方めぐり議論も......「こわいな」と思ってほしくない
デジタル庁が公開する「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」では、ALT属性は「画像の代わりにその文字を置いてみても違和感がない内容であることが望まれます」と説明されている。しかし岸本氏は、視覚障がいのない人が画像の内容を正確に文字で伝えることは「かなり難しい」と指摘する。
では、画像にALT属性を設定する際にどのような点に気を付けるべきだろうか。
岸本氏はまず、「状況描写を細かくしすぎる必要はない」とした。「例えば、画像に人が5人写っているとして、その全員の服装の特徴や髪の特徴を全部書かないといけないかというと、そんなことはない」とし、伝えたいことに合わせて誰の集合写真か、どこで撮った写真かといったことを、長くなりすぎないように記載してほしいとした。
次に、「優先順位」を意識してほしいとする。例えば、「今日は久しぶりにカレーライスを作りました」という本文とともにカレーライスの写真を投稿したとする。写真のALT属性に「カレーライスの写真」と記載しても、本文にも書いてあるのでわかりきった情報になってしまう。その場合は、「キーマカレーの写真」など詳しい情報を加えて記載すると良いという。
また、詳細情報としてALT属性にレシピなどを記載することは良くないとする人もいるが、岸本氏は「一視覚障がい当事者としては、そういうことも容認されていいんじゃないかなと思います」と話す。
一方で、カレーライスの写真のALT属性に「今日は実は会社で嫌なことがあったので、早めに帰って、スパイスから厳選してカレーを作りました。近所のスパイス屋さんが安かったんです......」といったような写真の内容と関係のない情報を記載することは良くないとした。
XではたびたびALT属性の使い方を指摘する声が見られるが、岸本氏は「正しい使い方を意識するあまり、『ALT属性を使うのはこわいな』と思われてしまうことは避けたい」と訴える。正しい使い方にこだわりすぎず、けれども、元々は視覚障がい者などが内容を理解するための機能だということを意識し、できれば公的な発言や重要な情報には本来の使い方で使ってほしいとした。
また、必ずしも画像にはALT属性を付けなければいけないわけではなく、「本文で画像に書いていることを全部説明して、画像にALT属性を付けないという方法も実際にあります」と説明した。
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— 農林水産省 (@MAFF_JAPAN) December 5, 2025
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