30年ぶりの選挙制度改革が実現するか
―― 超党派議連の参加者が200人と衆院議員の半数近くに増えて、選挙制度の改革機運が盛り上がってきたように見えます。選挙制度改革が実現すれば戦後80年で2回目のことになります。ただ、議員心理というものは、自分が選ばれた選挙制度を変更することに拒否反応を示すものではないですか?
選挙制度の変更に抵抗する議員は当然いると思います。今の制度(小選挙区比例代表並立制)で、一番得をしている政党は立憲民主党です。政党支持率が一桁なのに、3割くらいの議席を獲得している現状があります。二大政党制に見合った小選挙区制度では、野党第一党であれば与党への批判票が自動的に集約しやすいため、政党支持率以上の議席を獲得する確率が大きく、ほかの中小政党への支持は「死票」となっています。だから、野田佳彦代表や安住淳幹事長は批判的なのです。ただ、立憲民主党の中にも、超党派議連で中選挙区連記制を提案した階猛議員や津村啓介議員のように党の利益を超えて選挙制度改革に熱心な議員はかなりいます。
30年前に中選挙区(単記)制から小選挙区制に変えようとした時は、一つの選挙区での複数の当選者を一人に減らそうとしたため、選挙区調整がものすごく大変になった。しかし、「小から中」になると、選挙区は広くなって大変かもしれないが、候補者調整は必要ない。比例名簿に順位をつけてもいいし、「非拘束式」として候補者名で投票できるようにしたり、政党が選ぶことができるシステムにもできます。中選挙区から小選挙区に変えるよりも調整はしやすいと思います。