年末年始の帰省といえば、「家族とゆっくり過ごす時間」というイメージが強い。しかし実際には、帰省を終えたあとに疲労感を抱く人も少なくない。
アンビシャスが実施した「お正月の帰省と家事の本音」に関するアンケート調査(2025年1月発表。回答数は400サンプル)によると、帰省後、または帰省してきた家族が帰ったあとに「疲れがある」「多少疲れがある」と答えた人は、71.5%に上るという結果が出ている。疲労の理由としてもっとも多かったのは、「帰省中の大人数の食事用意・片づけ」(65.3%)だった。
帰省の実態は、必ずしも「休暇らしい休み」とは言い切れないようだ。
田中真由子さん(仮名・30代)も、帰省後に強い疲れを感じたひとりだ。24年末、「この時期には帰省するものだよね」という周囲の空気に押され、実家へ向かったという。
「台所、お願いね」からはじめった役割分担
「久しぶりに家族に会えるのは楽しみでした。でも、帰省ラッシュや交通費を考えると、出発前から正直しんどかったです」
実家に到着し、あいさつを済ませて間もなくだった。
「台所、お願いね!」
特別な相談があったわけではない。ただ、そのひと言で自然とエプロンをつける流れになった。配膳、洗い物、料理の補充......。田中さんは台所と居間を何度も行き来していたという。
一方で、親戚たちは座ったまま会話を続けていた。立って動いていたのは、田中さんと母親だけだったそうだ。
「誰かが決めたわけじゃないのに、気づいたらそうなっていました」
親戚が集まるにつれ、話題は私生活へと移っていった。
「まだ結婚しないの?」
「仕事もほどほどにしたほうがいいんじゃない?」
「女の幸せは家庭だよ」
悪意があるとは思わない。それでも、一つひとつに気を遣う言葉だった。田中さんは笑顔で受け流し、再び台所へ向かった。