有権者に「お得な話題」しか出てこない
「れいわ」は、消費税減税論議に火をつけたが、財源論議をはじめこの選挙では議論が深まっていない。朝日新聞は選挙中盤戦で、「地球温暖化」や「防衛費引き上げ」を特集、議論が盛り上がっていないと嘆いたが、各党ともに「有権者にお得な話題」以外は力が入らないようだ。政権が「安定」すると与党に不利な法案は避けられる。「夫婦別姓」法案は1997年以来28年ぶりに法案審議にかけられたが、自民党内で意見が分かれ、与党に都合が悪い法案の審議が見送られてきた経緯がある。
一方で、参政党は「日本人ファースト」を掲げて賛否両論を巻き起こしたが、結果として与野党の外国人政策の議論につなげた。さらに「終末期延命措置の全額自己負担」の提唱など、今回の選挙戦では「れいわのお株」を奪った側面もある。
(ジャーナリスト 菅沼栄一郎)