高市政権の命取りになりかねない「議員定数削減」本当に年内にまとまるのか 福島伸享議員に聞く

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結局は、「会期末提出」で審議未了?「比例」削減に小政党が猛烈批判

―― 自民党内や維新との間でも、「議員立法案」の中身を決めるまでに、いくつもの壁がありそうです。

まず、比例を減らすのか、小選挙区も含めるのか。比例だけを減らした場合、少数政党が徹底して抵抗します。国会運営が相当難しくなる。
小選挙区も減らすとなったら、区割りをどうするのかという騒ぎになる。さらに、都市と地方でも、区割りの問題が限界にきています。鳥取県の定数2は維持できるのか。一方で、東京の世田谷区や江戸川区は、一つの区の中で、選挙区が分かれている。東京の都市部は区議会議員選挙より衆議院議員選挙の方が選挙区が狭い。
また、定数削減は地方の定数が減ることになる。日本海側の県や四国や九州などで、どんどん定数が減る。これらの地域は元々自民党が強い地域だから選挙区が減ると党内調整が大変になって、法案のまとめが遅れることになります。

―― 「定数削減問題」調整の担当になった見られる萩生田光一・幹事長代理は「各党各会派が参加して、最大公約数を作らなくてはいけない。賛成多数で決めるべき内容ではないのは大前提だ」などと、慎重な構えです。

追い詰められて逃げ道がなくならないように、どんどん逃げ道を作っていますね。実現しなければ維新は離脱だ、と宣言していますから。
結局は、会期末の12月17日近くになって提出することになるんじゃないか。どうせ成立しないんだから「比例だけ削減」ということでまとめちゃえ、と。そうすれば「自維の約束」は果たされる格好になる。審議未了・継続審議となって、予算案成立まで審議できないだろうから、事実上3月まで審議は先送りになります。
衆院の「政治改革特別委員会」では、政治資金規制の関連法案も審議します。公明党と国民民主党が企業団体献金の規制強化の法案を作っていて、立憲も乗ろうとしています。維新はもともと「企業団体献金廃止」ですが、これに「反対」とは言いづらい。定数削減の審議をやるなら、その前にまず企業団体献金規制をやれ、という話に、我々野党側としては持ち込みたいのですが。

―― 「審議未了」だと、年明けの展開はどうなるんですか?

本予算の審議優先ですから、定数削減法案は当面棚上げでしょうね。維新もせっかく与党になったのですから、自分たちの要求が入った本予算が成立しなくては困るわけです。政治改革特別委の審議も3月くらいまで棚上げ。
一方で、今年行われた国勢調査の速報値が出る2026年の春頃を目途に、選挙制度改革を議論する議長の下の「衆議院選挙制度協議会」も粛々と審議を進めています。そもそも、この協議会は小選挙区比例代表並立制が続くと現在の東京などの都市部と地方の定数の配分が成り立たなくということから議論が始まっているのですから、定数是正の課題はもともと審議しているのです。
私が幹事長を務めている超党派の選挙制度抜本改革議連では今週、各党・会派の代表者で会合をしますが、「定数問題は選挙制度改革の一環として協議会ですべき」という申し入れをしようと思います。現行の小選挙区比例代表並立制に代って「中選挙区連記制」ばかりでなく、都道府県別比例代表制とか、順位投票付き小選挙区制などいろいろアイデアが出始めています。
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