生きがいとお金の「バランス設計」を
推し活は、心の支えとして価値がある一方で、生活資金や将来資金との線引きが、曖昧になりやすい。特に年金生活者の場合、「自分の楽しみだから問題ない」と考えてしまう傾向がある。一方で、支出が積み重なれば、生活や相続に影響を及ぼすこともある。
このような事例を防ぐには、まず「推し活用口座」を、生活費と分けて管理することが有効だ。推しへの寄付や支援金を想定している場合には、遺言書やエンディングノートで、意向を明確にしておくことが良いだろう。
お金は「使い方」だけでなく「遺し方」でも、人の価値観を映してしまう。生きがいと資産管理のバランスを意識することが、本人にとっても家族にとっても、後悔のない相続につながる。
【プロフィール】
石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。