荒れる会見...斎藤元彦知事は「真摯に受け止め」「適正、適法」ばかり 外では「斎藤辞めろ」の声、混乱の1年

   兵庫県・斎藤元彦知事は、2025年12月23日の定例記者会見で今年の漢字を発表した。今年の漢字は「創」を挙げ、「県民の皆さんにとって大切な政策をしっかり作り上げてきた。新たな躍動する兵庫を作り上げるとともに、新たな兵庫の未来を切り開いていくという思い」と今後の意気込みを語った。

   ただ、斎藤知事の思いと裏腹に、知事の周辺は混乱が続いている。

  • 定例会見の斎藤元彦知事(2025年12月10日撮影)
    定例会見の斎藤元彦知事(2025年12月10日撮影)
  • 百条委員会で委員長を務めた、奥谷謙一県議(写真中央)
    百条委員会で委員長を務めた、奥谷謙一県議(写真中央)
  • 2025年は神戸市、姫路市で斎藤知事に対する抗議デモがあった(編集部撮影)
    2025年は神戸市、姫路市で斎藤知事に対する抗議デモがあった(編集部撮影)
  • 定例会見の斎藤元彦知事(2025年12月10日撮影)
  • 百条委員会で委員長を務めた、奥谷謙一県議(写真中央)
  • 2025年は神戸市、姫路市で斎藤知事に対する抗議デモがあった(編集部撮影)

「逃げるな、戻れよ」怒号が飛び交う会見

   この1年、定例記者会見で斎藤知事と記者がかみ合わないやりとりとなるのは、元県民局長による告発文書問題を巡るものが多かった。記者の質問に対し、斎藤知事は、

「真摯に受け止める」
「適正、適法に対応している」
「これまで述べさせていただいた通り」

などと話して、記者とのやりとりが平行線となる場面がよく見られた。

   3月に発表された第三者委員会の報告書では、元県民局長への対応は公益通報者保護法に違反すると指摘。3月27日の会見で、斎藤知事は「公益通報の各種論点については第三者委員会の指摘は真摯に受け止めながら、一方で異なる考え方もある」と主張し、県としては文書問題に関する「対応は適切だった」とも語っていた。

   また、4月23日の会見で、消費者相の国会答弁と知事の認識に違いがあるのでは、と問われた際には、「ご指摘は真摯に受け止める」などと繰り返した。そして、「いろんな指摘は受け止めつつも、県としては県政運営をこれからもしっかりやっていくことが大事」などと県政を前に進めたいといった言い回しもセットで繰り返された。

   そして、12月3日の会見では、記者が質問途中だったのにもかかわらず、斎藤知事が退席する出来事も。この日の会見では、知事の発言中に別の記者から「質問にしっかり答えてよ」と声が飛び、知事も幹事社に記者の不規則発言に対して見解を求める荒れる会見となった。退席する斎藤知事に記者から「終わってない」「逃げるな、戻れよ」と怒号が飛んだ。

   一方、兵庫県は12月24日、公益通報者保護制度を巡って県の要綱を来年1月1日から改正することを発表。これまでは報道機関などへの外部通報について、保護の対象としていなかったが、要綱では告発者の不利益な取り扱いを防止することを明記した。報道によると、斎藤知事は「今後とも職員等への研修・周知等を通じて、公益通報者保護法の適切な運用を図ってまいります」とコメントしているという。

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