2024年 4月 26日 (金)

「楽々東大に受かる」生徒たち 海外のトップ大学目指し始める
(連載「大学崩壊」第7回/ベネッセコーポレーションに聞く)

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定員は15名で、実際の受講生は5人

-――日本の大学ですと、2月の入試に向けて「逆算型」で準備を進めるのだと思いますが、海外大学の場合は、どうですか。

藤井:   米国では、受験の準備の状況によって、出願のタイミングが、アーリー(11月出願締切)で行くのか?レギュラー(1月出願締切)で行くのか?などで異なります。ですので、日本の「逆算型」の受験対策の考えを改める必要があります。また、受験準備には、一般的に2年以上の準備が必要と言われますが、高3からの数か月で一通りの対策ができる人もいます。ルートHでの授業の取り方も、各自の準備の状況に応じてカスタマイズされています。このあたりの受験戦略を考えるのも、(3)の講座の役割です。

-――ルートHの学費は年間150万~300万円と言われていますが、「特待生」はいますか?

藤井:   特待生はいません。「ルートH」に入ってくるのは優秀な高校生ばかりなので、(特待生制度を導入すると)全員タダにしないといけなくなってしまいます(苦笑)。

-――わずか5人の受講生に対して「至れり尽くせり」にも見えますが、経営的にはいかがですか。「現段階では初期投資」ということですか。

藤井:   現時点では、事業単体としてはまだ模索している部分があります。しかし、ベネッセとしては「子どもの多様な進路をサポートしたい」という思いがあり、「海外に視野を向けている子どもがいるのであれば、然るべき選択肢を提供したい」と考えました。
   単に事業の拡大だけを考えれば、受講生を増やせば良いと思われるかもしれませんが、収益だけを考えた安易な拡大をするつもりはありません。定員は15名に絞っています。さらに、実際の受講生は5人です。日本の高校からハーバードに受かるのは、年に1人~2人で、アイビーリーグ全体で見ても、日本人の合格者数はせいぜい20人程度だと言われています。受かる人数が少ない分、それだけの素質があり、かつ本気で海外進学を考える人に来ていただければと思っています。

-――1年近くやってみて、手応えはいかがですか。

藤井:   (SAT・TOEFLの)スコアの伸び率は、かなりのものを感じています。英語力は、半年程度あれば、ある程度の水準に持って行けると実感しています。また、自己分析力の育成も、半年以上トレーニングを続けていけば、行動と実績が目に見える成果として表れてきています。
   ルートHの5人は、現状では「確実に東大に受かるだろう」というレベルです。にもかかわらず、あえて茨の道を進んでいます。受かるかどうか分からないリスクを背負ってでもチャレンジしようとする志・気概に、最近は感銘すら受けています。「自らリスクを取って挑戦したい」という彼らの思いに何とか応えてあげたい、というのが、1年間を振り返ってみての感想です。私たち塾として、出来る限りのサポートはしてあげたいと思います。
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