生産者に価格交渉力がない、放っておけば価格はどんどん下がる
農業の場合はそうじゃない。そもそも需要に応じた生産ができない。四季がある天気の中で、コメができる時期も決まっているから、需要が増えたからと言っていきなり供給はできない。また、農産物には貯蔵性がない。長く持てば持つほど価格が下がる。次の年になって新米が出てくれば、とたんに前の年のコメ(古米)は、価格が下がってしまう。つまり売る側の立場が弱い。
また、天候などによって計画的に作ることができない。暑くなったら生産量が落ちるのと同じで、計算通りに行かない。
生産者には著しく価格交渉力がありません。放っとけば値段は下がっていく、という特性がある。そこに何らかの政策的な関与が必要になる。他の産業とは全く違うところがある。この30年間、コメの値段は下がり、2万6、7000円だった値段が1万円近くまで落ちてしまった。これだけ下がった品物は他にありません。