コメ増産は消えた?鈴木農水相は「おこめ券」を配ると言うが... 福島伸享議員に聞く日本の農業の実態と将来

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基本法改正で農家にお金を入れる方法を閉ざして八方ふさがり

   その財務省の立場が反映されたのが、昨年(2024年)の農業の憲法と言われる食料・農業・農村基本法改正法案でした。改正前は、国が食料の自給率に関する目標を定めることとされていた。でも、この食料自給を食料安全保障という言葉に変えて、「自給」をはずした。コメはほぼ100%自給です。主食だからという理屈ですが、その言葉をはずした。これまで水田農業に予算を投じる根拠は食料自給率の確保だった。それが食料安全保障となると、安全保障というのは、「国内産+輸入』ですよ。この基本法改正には、安定した輸入の確保という項目もあって、米国とかオーストラリアとか同盟国から輸入するものは、輸入であっても安定しているからいいという理屈です。政策体系を変えることによって、直接支払いのように、農家全体にお金を入れるような道を閉ざした、というのが、2024年の法改正でした。

   これで直接支払いがやりづらくなった。八方ふさがりになったから、お米券のような愚策が出る。備蓄米の放出とか、どれも愚策だと思いますよ。でもそれしかやりようがない、という隘路に日本の農政は陥っている。

   高市政権は財務省をオーバーライドする(乗り越える)と言っているから、もしかしたら、善意にとれば、農政転換があるのかもしれないともとれる。市場価格は市場で決める、とはそういうことです。石破さんや小泉さんがやってきた農政は、私は『亜流』だと思う。農政改革と言う名の素人の改革・石破農政を、私は全く評価していない。どういう背景で鈴木さんが農水大臣になったかわからないが、あの真面目でおとなしい人が石破農政を否定している。だれか後ろ盾がいなければできないはず。

   財務省と正面切った農政議論をやらなければいけません。高市首相がそこまでやるんだったら、私は応援したいと思います。

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