コメ増産は消えた?鈴木農水相は「おこめ券」を配ると言うが... 福島伸享議員に聞く日本の農業の実態と将来

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農機具が飛ぶように売れた、その結果は

   価格高騰の原因で一番大きかったのは、南海トラフ地震が起きるとのうわさが広がって買いだめが起きた、これが需要側の要因。供給側は、猛暑によってコメの生産量が落ちていた。需要と供給がカツカツだったところに、こうした要因が重なって将来の米不足や価格高騰の見込みが出回り、みんなが手持ちのコメの量を増やしたために需給がひっ迫して、上がっていったというのが実態だと思う。

   政治的には、何かやらなきゃいけないから、小泉進次郎・前農水相の時に、備蓄米をまず出した。「政府が供給を増やすから足りなくならない」というイメージ作戦です。もうひとつは増産しましょうと言い出した。このまま増産すると、民間の在庫は増えていきます。現にもう民間在庫はかなり増えています。いずれ、その在庫が余って、来年(2026年)春ころになって、今年も天候が順調だと見えてくると、コメが暴落する可能性があります。

   元々コメは、値段が下がりやすいもので、供給が多くなると暴落する可能性がある。困るのは専業農家です。今年(2025年)は農機具が飛ぶように売れた。コメの値段が上がって、ちょっとおカネが入ったから農機具を買おうとなる。農機具と言っても数千万から1億円しますから、みなローンを組む。で、コメが下がるとローンが払えないって人が出てくる。経営は単年度単位でやっていませんから、たちどころに資金がショートする。会社形態でやっている所ほど倒産する。倒産しても田んぼは残る。農業がたいへんなのは、倒産しただけじゃすまないことです。

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