環境配慮から導入された紙製ストローが岐路に立っている。
消費者から「ふやける」「味が変わる」といった不満があがるなか、日本マクドナルドは2025年11月から紙ストローを順次廃止し、コールドドリンク(紙カップ用)のフタをリサイクルPET製のストローなしで飲めるフタ「ストローレスリッド」へ変更する。
一方、スターバックス コーヒー ジャパンも1月から紙ストローを順次廃止し、生分解性バイオマスプラスチック製ストローへと切り替えているが、両社の対応はなぜ分かれたのだろうか。
紙ストロー、消費者から不満が相次ぐ
2020年代に入り、環境配慮の象徴として飲食チェーンが相次いで導入した紙ストロー。しかし消費者からは厳しい評価が相次いだ。
最も深刻だったのが「味」の問題だ。SNSなどでは、「紙の味がする」「コーヒーの風味が台なし」といった不満が相次ぎ、特に香りを楽しむドリンクでは紙特有の風味への抵抗感が強かった。
また、「ふやける」という指摘も多く、「20分も持たない」「飲み終わる前にストローが使えなくなる」といった声も見られた。
企業側にとっても、プラスチック製と比べて5~10倍のコストがかかるとされる紙ストローは経営課題となっていた。