ネットでコメがバズっている、転売ヤーも出現
インターネットの一般利用が日本で始まって今年で30年。この30年間でネット空間はいかに育っただろうか。
「○○賞年連続受賞」なんていううたい文句で、ネットで華々しくおコメを売っている業者が、南魚沼市にも何軒もある。ネットで急激に評判を呼ぶことを「バズる」という。バズった場合のネットの反響は、一気に押し寄せる。それまでの何倍、何十倍もの注文が来る。しかし、田んぼの面積は、瞬時に何倍、何十倍にも出来るはずもない。
で、注文が殺到した農家は、自分の米では足りないので、回りから買い集めることになる。いくつかの農家は、いまや生産者ではなく流通業者だ。近隣の米を買い集めてふるさと納税の返礼品として立派な収入を確保している。市内で確保できなければ、遠く山の向こうのおコメもやってくることになる。それを、さらに転売して小銭をかせぐ転売ヤーも、ネットエコノミーのあだ花だろう。
米粒には、どこのコメかは書いていない。市販されるコメの品質表示は、あいまいだ。ブレンド米になってしまえば、産地どころか、備蓄米なのか昨季のコメなのかすら分からなくなる。銘柄米といっても、本当にそのコメが入っているかどうか、確かめる術は、「消費者」にはない。