農家の倉庫から米袋を次々に積み込んで去っていく男たち 南魚沼「コシヒカリ」生産地で1年前に起きたこと

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大臣や幹事長はテレビで得意顔だが

   あと1年経てば、飼料米として1俵数千円で売り渡す備蓄米を、「味はいい」なんて言いながら販売して、大臣やら幹事長やらはテレビに出て得意顔である。

   しかし、2025年度の米の農協への売渡し価格はすでに1俵2万8,000円以上(JA新潟かがやき)などとされていて、これは末端価格では2倍の1俵6万円近くになる。つまり1キロ1,000円。5キロで5,000円になる。

   農協価格が高くなるのは、民間の事業者が入り込んで買いあさるのを止めたいからではあるが、こうなると、「怪しいトラック」チームは1俵3万円以上を提示するのは間違いない。お安い備蓄米が無くなったあと、米価がかつての水準に下がることは望み薄。どころか、今の5キロ4~5000円のレベルはそのままになるのは間違いないと、私は見ている。

   稲作農家の平均年齢は71.1歳(2020年農業センサス)。私の周辺でも、数百万円の農機1台が壊れれば、それで稲作はやめるという人がほとんどだ。新規就農するには、機材を入れる倉庫も含めて2,000万円以上の初期投資が必要。10年で償却しても、200万円以上の減価償却費がかかってくる。苗、肥料、燃料、機械の保守などのコストも軽く500万円はかかってくる。大規模に10ヘクタールを耕作しても、取れ高は800俵。1俵が2万円に戻ったとして1,600万円。人件費管理費に使えるのは800万円程度。10ヘクタールは1人では耕作できず、3人で賄うとして年収200万円程度。これでは、後継者が出てこないのは当たり前だ。

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