農家の倉庫から米袋を次々に積み込んで去っていく男たち 南魚沼「コシヒカリ」生産地で1年前に起きたこと

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

24年は夏の好条件があだに、実った稲穂が重すぎる

   翌2024年、夏までの稲の生育は順調だった。夏場も高温ではあったが雨も降った。この中で稲はぐんぐんと背を伸ばした。

   が、伸び過ぎも良くない。実った稲穂が重くなってくると、稲が根本から倒れる。間が悪いことに9月前半から全国的な長雨となった。稲刈り機(コンバイン)に水分が入るとコメやワラが詰まってしまう。雨の日は稲刈りが出来ない。刈れないままに雨が続き、稲は完全に倒れ込んでしまった。むしろのような田んぼが、あちこちに出現した。稲穂が1週間も水に浸かると発芽してしまう。日本で多く栽培されるコシヒカリは、もともと倒れやすい品種として知られている。関東平野でも、コシヒカリがべったりと倒れ込む痛々しい光景が広がった。

   結果、24年産のコメは、新潟はおろか、関東平野でも収量が激減する。

   8月末から9月になると、コメ不足を見越した人たちが、関東平野の早場米地区に入り込んで、それまでの倍の値段で仕入れ始めた。茨城県南部のある地域では、「だれそれの家に、大型トラックが乗りつけてきて1俵2万3000円で20トン以上買っていった」なんていう話を聞いた。それまでの2倍の仕入れ値である。

姉妹サイト