農家の倉庫から米袋を次々に積み込んで去っていく男たち 南魚沼「コシヒカリ」生産地で1年前に起きたこと

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コメ不足は23年の猛暑から始まっていた

   2023年の夏は猛暑だった。7月下旬、出かけていった東京駅のホームで腕時計の測定値は38.6度になった。台風から噴き出す南風は、フェーン現象をともなって新潟側に吹き下ろし、40度近い高温が8月いっぱい続き、雨もほとんど降らなかった。稲はタネを守るためにもみ殻を厚くし、中には十分なでんぷん質が蓄積されなかった。未熟な部分が光を反射させる「白濁米」を多くうんだ。私のコメも、もみ殻が堅くて分厚く、もみ殻を外す「もみすり」作業に手間取った。

   新潟県のコシヒカリは1等米が4.9パーセントにまで落ち込んだ。おコメの検査員をしている知人は、こんなコメの状態を見るのは初めてだと驚いていた。新潟県の花角英世知事は、「おコメの等級は味には関係ありません」と記者会見。南魚沼市は、4億円を投じて、羽田空港の駅や東海道新幹線の車内誌に広告を出して売上維持を図った。それまで「1等米が90%」などと胸を張ってきたのを思うと、意味不明の情報発信となった。

   23年の高温障害は、全国的にも大幅な品質低下を招き、これがコメの供給量を引き下げた。

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